葛飾北斎の『北斎漫画』は、人物、動物、植物、風景、神仏や妖怪など、さまざまなものを描いた絵手本です。十三編は嘉永2年(1849)に刊行され、北斎が生きている間に世に出た『北斎漫画』としては最後の巻になりました。
十三編が刊行された1849年は、北斎が亡くなった年でもあります。しかし、絵の題材は狭まっておらず、人物、動植物、風景、神話や伝説に関わる存在など、幅広い世界が描かれています。北斎が最晩年まで、目に見えるものにも想像上のものにも強い関心を持ち続けたことが伝わる一冊です。
『北斎漫画 十三編』とは
『北斎漫画 十三編』は、現代のように物語をコマで読み進める漫画ではなく、さまざまな形や動き、構図を描いて見せる絵手本です。書誌では29丁の版本として記録され、尾張の東壁堂、永楽屋東四郎から刊行されました。
十三編は、前の巻までと書名の表し方にも違いがあります。東京文化財研究所の書誌では『北齋漫畫十三編』とされ、扉には「葛飾為一老人筆」「書舗東壁堂梓」と記されています。また、国立国会図書館などには「葛飾為一遺墨」の名を付した後の版も残っています。「為一」は、北斎が晩年に用いた号の一つです。
基本情報
【絵師】葛飾北斎
【作品名】北斎漫画 十三編(ほくさいまんが じゅうさんぺん)
【刊行年】嘉永2年(1849)
【版元】東壁堂・永楽屋東四郎
【種類】絵手本・版本
【丁数】29丁
掲載画像について
元記事では、国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 13編」、Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 13」、ARC古典籍ポータルデータベースを参照しています。
国立国会図書館のPID 851658は、明治11年(1878)に名古屋の片野東四郎から刊行された版です。十三編の初刊である嘉永2年(1849)とは異なるため、「作品の初刊」と「掲載画像の底本」は分けて考えています。
Smithsonian Librariesで公開されている十三編のデジタル画像にはCC0 1.0が付けられており、著作権上の制限なく複製・加工・配布できる資料として公開されています。
【参考資料】
国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 13編」
Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 13」
ARC古典籍ポータルデータベース
CiNii Books「北齋漫畫十三編」
江戸東京博物館デジタルアーカイブ「北斎漫画 十三編」
画像目次
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※画像番号は記事内で見やすくするための整理番号で、原本の丁数とは一致しません。
『北斎漫画 十三編』画像一覧
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見どころ
十三編の大きな特徴は、北斎の最晩年に刊行された巻であることです。北斎は長い画業の最後まで、人物や生きもの、自然、物語の世界など、さまざまなものを描く対象として見続けました。年齢を重ねても、形や動きへの好奇心が衰えていないことがページから伝わります。
また、十三編までが北斎の存命中に刊行された巻で、十四編と十五編は北斎の死後に刊行されました。その意味でも十三編は、『北斎漫画』という長いシリーズの一つの区切りになる巻です。初編から続けて見ると、1814年から1849年まで約35年にわたって北斎の絵が読み継がれ、出版され続けたことが分かります。
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