葛飾北斎の『北斎漫画』は、人物、動物、植物、風景、神仏や妖怪など、さまざまなものを描いた絵手本です。十編は文政2年(1819)に刊行され、身近なものから神話や伝説に関わる題材まで、北斎の幅広い関心を見ることができます。
十編にも、人物、植物、動物、魚、鳥、神話上の人物、風景などが収められています。複雑な形をそのまま写すのではなく、その対象らしさが伝わる特徴を選び、少ない線で姿や動きをまとめる北斎の描き方を楽しめます。
『北斎漫画 十編』とは
『北斎漫画 十編』は、現代のように物語をコマで読み進める漫画ではなく、さまざまな形や動き、構図を描いて見せる絵手本です。British Museum所蔵本は31丁からなり、墨、薄墨、淡い朱色による三色摺で作られています。
British Museumの書誌では、主版元を永楽屋東四郎とし、江戸の角丸屋甚助、英屋平吉、竹川藤兵衛も版元として記録されています。また、魚屋北渓、斗円楼北泉、牧墨僊、月齋峨眉丸が校合に関わったとされています。
基本情報
【絵師】葛飾北斎
【作品名】伝神開手 北斎漫画 十編(でんしんかいしゅ ほくさいまんが じっぺん)
【刊行年】文政2年(1819)
【主版元】永楽屋東四郎
【種類】絵手本・版本
【丁数】31丁(British Museum所蔵本)
掲載画像について
元記事では、国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 10編」、Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 10」、ARC古典籍ポータルデータベースを参照しています。
国立国会図書館のPID 851655は、明治11年(1878)に名古屋の片野東四郎から刊行された版です。十編の初刊である文政2年(1819)とは異なるため、「作品の初刊」と「掲載画像の底本」は分けて考えています。
Smithsonian Librariesで公開されている十編のデジタル画像にはCC0 1.0が付けられており、著作権上の制限なく複製・加工・配布できる資料として公開されています。
【参考資料】
国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 10編」
Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 10」
ARC古典籍ポータルデータベース
British Museum「(Denshin kaishu) Hokusai manga, vol.10」
画像目次
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※画像番号は記事内で見やすくするための整理番号で、原本の丁数とは一致しません。
『北斎漫画 十編』画像一覧
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見どころ
十編でも、人や動植物、魚、鳥、風景、神話上の人物など、性質の異なる題材が次々と現れます。北斎は対象ごとに線の使い方や形のまとめ方を変え、限られた色と線の中で、それぞれの特徴が分かるように描いています。
また、十編は初編の刊行から数年を経て続いた巻の一つです。一冊を通して眺めると、北斎が身近な暮らしだけでなく、自然、伝説、想像上の世界まで、あらゆるものを絵の題材として見ていたことが伝わります。
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