葛飾北斎の『北斎漫画』は、人物、動物、植物、風景、神仏や妖怪など、さまざまなものを描いた絵手本です。七編は文化14年(1817)に刊行され、初編から続く北斎の幅広い興味と観察を楽しめる一冊です。
七編には、人物、植物、動物、魚、鳥、神話上の人物、風景などが収められています。身近なものから物語の中の存在まで、対象の特徴を短い線でつかみ、見た人に形や動きが伝わるように描いているところが『北斎漫画』の魅力です。
『北斎漫画 七編』とは
『北斎漫画 七編』は、物語をコマで読み進める現代の漫画ではなく、さまざまな形や動き、構図を描いて見せる絵手本です。British Museum所蔵本は33丁からなり、墨、薄墨、淡い朱色の三色で摺られています。
人物や動植物、魚や鳥、風景だけでなく、神話や伝説に関わる存在まで同じ本の中に並んでいます。北斎が目の前の現実だけを描いたのではなく、昔から語られてきた物語や人々の想像の世界も、同じように絵の題材として見ていたことが分かります。
基本情報
【絵師】葛飾北斎
【作品名】伝神開手 北斎漫画 七編(でんしんかいしゅ ほくさいまんが しちへん)
【刊行年】文化14年(1817)
【主版元】永楽屋東四郎
【種類】絵手本・版本
【丁数】33丁(British Museum所蔵本)
掲載画像について
元記事では、国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 7編」、Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 7」、ARC古典籍ポータルデータベースを参照しています。
国立国会図書館のこのシリーズは、明治11年(1878)に名古屋の片野東四郎から刊行された版です。七編そのものの初刊は文化14年(1817)なので、「作品の初刊」と「掲載画像の底本」は分けて考える必要があります。
Smithsonian Librariesで公開されている七編のデジタル画像はCC0として公開されており、著作権上の制限なく複製・加工・配布できる資料として案内されています。
【参考資料】
国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 7編」
Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 7」
ARC古典籍ポータルデータベース
British Museum「(Denshin kaishu) Hokusai manga, vol.7」
画像目次
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※画像番号は記事内で見やすくするための整理番号で、原本の丁数とは一致しません。
『北斎漫画 七編』画像一覧
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見どころ
七編でも、北斎の関心は人や動物だけにとどまりません。植物や魚、鳥、風景、神話上の人物まで、性質の異なるものを次々と描いています。題材が変わるたびに線の使い方や形のまとめ方も変わり、北斎が対象ごとの特徴を見分けていたことが伝わります。
一冊を続けて見ると、北斎が世界を分類して眺めるというより、「おもしろい形や動きがあれば何でも描く」という姿勢だったことが感じられます。現実と物語、身近なものと珍しいものを区別せず、すべてを絵の材料に変えていくところが『北斎漫画』の大きな魅力です。
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