葛飾北斎の『北斎漫画』は、人物、動物、植物、風景、神仏や妖怪など、さまざまなものを描いた絵手本です。五編は文化13年(1816)に刊行され、身近なものから想像上の存在まで、北斎の幅広い関心を楽しめる一冊です。
五編にも、人物、植物、動物、魚、鳥、神話や伝説に関わるもの、風景などが収められています。形を正確に写すだけでなく、動きや特徴を短い線でつかみ、見た人がすぐに姿を思い浮かべられるように描いているところが『北斎漫画』の魅力です。
『北斎漫画 五編』とは
『北斎漫画 五編』は、物語をコマで読み進める現代の漫画ではなく、さまざまな形や動きを描いて見せる絵手本です。絵を学ぶ人が形や構図をまねるための手本であると同時に、次々と現れる題材を眺めて楽しむ画集のような性格も持っています。
British Museum所蔵本は29丁からなり、墨、薄墨、淡い朱色の三色で摺られています。人物や自然だけでなく、神話上の人物なども並び、現実に見えるものと物語の中の存在を同じ一冊の中で描く北斎の幅広い発想を見ることができます。
基本情報
【絵師】葛飾北斎
【作品名】伝神開手 北斎漫画 五編(でんしんかいしゅ ほくさいまんが ごへん)
【刊行年】文化13年(1816)
【種類】絵手本・版本
【形態】半紙本一冊
【丁数】29丁(British Museum所蔵本)
掲載画像について
元記事で参照している国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 5編」は、明治11年(1878)に名古屋の片野東四郎から刊行された版です。五編そのものの初刊は文化13年(1816)なので、「作品の初刊」と「掲載画像の底本」は分けて表記しています。
【参考資料】
国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 5編」
British Museum「(Denshin kaishu) Hokusai manga, vol.5」
画像目次
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※画像番号は記事内で見やすくするための整理番号で、原本の丁数とは一致しません。
『北斎漫画 五編』画像一覧
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見どころ
五編では、実際に目で見ることのできる人物や動植物だけでなく、神話や伝説に登場するものまで、さまざまな題材が同じ一冊に収められています。北斎にとって、身近な暮らしも昔から語られてきた物語も、どちらも絵にする価値のある題材だったことが伝わります。
細かな説明文を読まなくても、線の形や人物の姿勢を見るだけで、そのものの特徴や動きが伝わってきます。ページをめくるたびに題材が変わるため、北斎が身の回りの世界をどれほど幅広く観察していたのかを楽しみながら見ることができます。
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