葛飾北斎の『北斎漫画』は、人物、動物、植物、風景、神仏や妖怪など、さまざまなものを描いた絵手本です。八編は文政元年(1818)ごろに刊行され、北斎が身近な世界から物語の中の存在まで、幅広い題材を絵にしていく様子を楽しめる一冊です。
八編にも、人物、植物、動物、魚、鳥、神話上の人物、風景などが収められています。対象を細かく描き込むだけではなく、その姿や動きの特徴を短い線でつかみ、ひと目で印象が伝わるようにまとめているところが『北斎漫画』の魅力です。
『北斎漫画 八編』とは
『北斎漫画 八編』は、物語をコマで読み進める現代の漫画ではなく、さまざまな形や動き、構図を描いて見せる絵手本です。British Museum所蔵本は34丁からなり、墨、薄墨、淡い朱色の三色で摺られています。
刊行年には書誌によって違いがあります。日本の書誌では文政元年(1818)とされる例がある一方、British Museum所蔵本は1819年(文政2)と記録されています。版や書誌の取り方による違いがあるため、ここでは文政元年(1818)ごろとして扱います。
基本情報
【絵師】葛飾北斎
【作品名】伝神開手 北斎漫画 八編(でんしんかいしゅ ほくさいまんが はちへん)
【刊行年】文政元年(1818)ごろ
【主版元】永楽屋東四郎
【種類】絵手本・版本
【丁数】34丁(British Museum所蔵本)
掲載画像について
元記事では、国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 8編」と、Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 8」などを参照しています。
国立国会図書館のPID 851653は、明治11年(1878)に名古屋の片野東四郎から刊行された版です。八編の江戸時代の刊行時期とは異なるため、「作品の刊行年代」と「掲載画像の底本」は分けて考えています。
Smithsonian Librariesで公開されている八編のデジタル画像にはCC0 1.0が付けられており、著作権上の制限なく複製・加工・配布できる資料として公開されています。
【参考資料】
国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 8編」
Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 8」
British Museum「(Denshin kaishu) Hokusai manga, vol.8」
画像目次
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※画像番号は記事内で見やすくするための整理番号で、原本の丁数とは一致しません。
『北斎漫画 八編』画像一覧
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見どころ
八編でも、北斎は人や動植物、魚や鳥、風景、神話上の人物など、性質の異なる題材を同じ一冊に並べています。対象ごとに線の使い方を変え、複雑な形でも特徴がすぐに伝わるように描いているため、絵を学ぶための手本としてだけでなく、眺めているだけでも楽しめます。
ページを続けて見ていくと、北斎の興味が身近な暮らしだけに向けられていたのではないことが分かります。自然の形、人の動き、昔から語られてきた物語まで、目に見えるものと想像の世界を区別せず、すべてを絵の題材に変えていくところが『北斎漫画』の大きな魅力です。
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