葛飾北斎の『北斎漫画』は、人物、動物、植物、風景、神仏や妖怪など、さまざまなものを描いた絵手本です。二編は文化12年(1815)に刊行され、初編に続いて北斎の観察と描写の広がりを楽しめる一冊になっています。
二編では、魚や海の生き物、鳥、動物、植物などが、ある程度まとまりを持って並べられています。すみだ北斎美術館が紹介する見開きには、金魚、メダカ、ハゼ、ドジョウ、アンコウ、ヒラメなど、江戸の人々に身近だった魚が描かれています。
獏や白澤といった空想の生物や、聞きかじって実物を見ていないと思われる生物のはリアルよりもカッコよさが先立ってます。
『北斎漫画 二編』とは
『北斎漫画 二編』は、初編の翌年に刊行されました。現代のストーリー漫画とは異なり、一つ一つの形や動きを描き分けた絵手本で、絵を学ぶための手本であると同時に、さまざまなものを眺めて楽しむ画集のような性格も持っています。
二編では、生き物や植物が近い題材どうしで並ぶ箇所があり、ただ思いつくままに絵を並べたのではなく、ある程度の編集を意識してまとめられたことがうかがえます。『北斎漫画』が単なるスケッチ集ではなく、読者が見て学び、比べて楽しめる本だったことが分かります。
基本情報
【絵師】葛飾北斎
【作品名】伝神開手 北斎漫画 二編(でんしんかいしゅ ほくさいまんが にへん)
【初刊】文化12年(1815)
【版元】東壁堂
【種類】絵手本・版本
【形態】半紙本一冊
掲載画像について
元記事で参照している国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 2編」は、明治11年(1878)に名古屋の片野東四郎から刊行された版です。『北斎漫画 二編』そのものの初刊は1815年なので、「作品の初刊」と「掲載画像の底本」は分けて考える必要があります。
早稲田大学図書館 古典籍総合データベース「北斎漫画. 2編」の所蔵本も明治11年(1878)の後刷で、書誌には「文化12年刊の後刷」と記されています。
【参考資料】
国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 2編」
早稲田大学図書館 古典籍総合データベース「北斎漫画. 2編」
すみだ北斎美術館「北斎漫画 二編」
画像目次
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『北斎漫画 二編』画像一覧
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見どころ
二編では、生き物を描く北斎の観察力がよく分かります。同じ魚でも体の形やひれのつき方は違い、鳥や動物も種類ごとの特徴が短い線で描き分けられています。形だけではなく、「どう動くのか」まで伝わるように描かれているところが北斎らしい部分です。
一つ一つの図を独立して見るだけでなく、前後のページを続けて眺めると、似た題材が集められていることにも気づきます。初編から続く自由な描写に加えて、自然や生き物を比べながら見る楽しさが強く感じられるのが二編の特徴です。
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