葛飾北斎の『北斎漫画』は、人物、動物、植物、風景、神仏や妖怪など、さまざまなものを描いた絵手本です。十一編は、十編までが続けて刊行された時期からしばらく間を置き、天保5年(1834)ごろに刊行された巻として知られています。
十一編にも、人物、植物、動物、魚、鳥、風景、神話や伝説に関わる題材などが収められています。身近な動作や生きものの姿だけでなく、想像上の存在まで同じように描く北斎の幅広い関心を見ることができます。
『北斎漫画 十一編』とは
『北斎漫画 十一編』は、現代のように物語をコマで読み進める漫画ではなく、さまざまな形や動き、構図を描いて見せる絵手本です。British Museum所蔵本は31丁からなり、墨、薄墨、淡い朱色による三色摺で作られています。
十編までが文化・文政期に続けて刊行されたのに対し、十一編は少し時期を置いて刊行されました。北斎はこのころ七十代半ばに入りましたが、題材の幅は狭まらず、人の暮らしや自然、物語の中の存在まで、さまざまなものを絵にしています。
基本情報
【絵師】葛飾北斎
【作品名】伝神開手 北斎漫画 十一編(でんしんかいしゅ ほくさいまんが じゅういっぺん)
【刊行時期】天保5年(1834)ごろ
【主版元】永楽屋東四郎
【種類】絵手本・版本
【丁数】31丁(British Museum所蔵本)
掲載画像について
元記事では、国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 11編」、Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 11」、ARC古典籍ポータルデータベースを参照しています。
国立国会図書館のPID 851656は、明治11年(1878)に名古屋の片野東四郎から刊行された版です。江戸時代に成立した十一編とは異なる後の版なので、「作品の刊行時期」と「掲載画像の底本」は分けて考えています。
Smithsonian Librariesで公開されている十一編のデジタル画像にはCC0 1.0が付けられており、著作権上の制限なく複製・加工・配布できる資料として公開されています。
【参考資料】
国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 11編」
Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 11」
ARC古典籍ポータルデータベース
British Museum「(Denshin kaishu) Hokusai manga, vol.11」
画像目次
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※画像番号は記事内で見やすくするための整理番号で、原本の丁数とは一致しません。
『北斎漫画 十一編』画像一覧
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見どころ
十一編でも、北斎は人や動植物、風景、物語に関わる存在など、性質の異なるものを同じ一冊に並べています。対象によって線の強さや形のまとめ方を変え、少ない色数でも姿や動きが分かるように描いています。
また、十編から時間を置いて刊行された巻であることも十一編の特徴です。長い期間にわたって続いた『北斎漫画』の中で、北斎が年齢を重ねてもなお、身近な世界から想像上の題材まで幅広く描き続けていたことが分かります。
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