葛飾北斎の『北斎漫画』は、人物、動物、植物、風景、神仏や妖怪など、さまざまなものを描いた絵手本です。十四編は北斎の死後に刊行された後期の巻で、The Metropolitan Museum of Artでは1875〜1878年ごろの制作・刊行とされています。
北斎は嘉永2年(1849)に亡くなりましたが、『北斎漫画』の出版はそこで終わりませんでした。十四編と十五編まで刊行が続き、シリーズ全体は明治11年(1878)まで出版されています。北斎が残した図や版木が、死後もなお読者に求められていたことが分かります。
『北斎漫画 十四編』とは
『北斎漫画 十四編』は、現代のように物語をコマで読み進める漫画ではなく、さまざまな形や動き、構図を描いて見せる絵手本です。British Museum所蔵本は30丁からなり、墨、薄墨、淡い朱色による三色摺で作られています。
十四編の刊年は、所蔵本や書誌によって表記に幅があります。The Metropolitan Museum of Artは1875〜1878年ごろ、British Museumは1849〜1878年の範囲で記録しており、東京文化財研究所所蔵本には出版年不明のものもあります。そのため、ここでは「明治初期、1875〜1878年ごろ」として扱います。
基本情報
【絵師】葛飾北斎
【作品名】伝神開手 北斎漫画 十四編(でんしんかいしゅ ほくさいまんが じゅうよんぺん)
【刊行時期】明治初期、1875〜1878年ごろ
【版元】永楽屋東四郎・東壁堂系統
【種類】絵手本・版本
【丁数】30丁(British Museum所蔵本)
掲載画像について
元記事では、国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 14編」、Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 14」、ARC古典籍ポータルデータベースを参照しています。
国立国会図書館のPID 851659は、明治11年(1878)に名古屋の片野東四郎から刊行された版です。十四編そのものの刊行時期には書誌上の幅があるため、この記事では国会図書館所蔵版の1878年と、十四編一般の刊行時期を区別しています。
Smithsonian Librariesで公開されている十四編のデジタル画像にはCC0 1.0が付けられており、著作権上の制限なく複製・加工・配布できる資料として公開されています。
【参考資料】
国立国会図書館デジタルコレクション「北斎漫画 14編」
Smithsonian Libraries「Denshin kaishu Hokusai manga v. 14」
ARC古典籍ポータルデータベース
The Metropolitan Museum of Art「Hokusai Sketchbooks, volume 14」
British Museum「Hokusai manga, vol.14」
画像目次
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※画像番号は記事内で見やすくするための整理番号です。元記事に重複していた画像は一度だけ掲載し、番号を振り直しています。原本の丁数とは一致しません。
『北斎漫画 十四編』画像一覧
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見どころ
十四編では、人物、植物、動物、魚、鳥、風景、神話上の人物など、『北斎漫画』らしい幅広い題材が引き続き描かれています。北斎が亡くなった後も、残された図や版木がまとめられ、読者に届けられたこと自体が、このシリーズの人気の長さを物語っています。
初編が刊行された文化11年(1814)から十四編が刊行された明治初期までには、六十年以上の時間があります。江戸時代に始まった絵手本が明治時代まで出版され続けたことを考えると、『北斎漫画』が一時的な流行ではなく、長く読み継がれた出版物だったことがよく分かります。
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